ヒッチコック監督によるサスペンススリラー。
この映画は何度も観ているが、改めてサスペンスの傑作だなと思う。ヒッチコックの作品で一つ選ぶとすると、「サイコ」でもなく「鳥」でもなく、やはりこれになるかな。
不運な男が間違えられて事件に巻き込まれるとい設定は、ヒッチコック作品にはよくある。悪い奴らに狙われて、延々と続く逃亡劇というのも目新しくはない。それでもこの映画のよいのは、展開の巧みなところだ。逃亡劇は、ただ逃げるだけでは飽きがきてしまう。それを場面をうまく転換することで、観る側の目を離さない。
冒頭から間違えられて拉致され、飲酒運転で御用となり、殺人事件の犯人にされ、謎の女との出会い、その女の正体を知る、というように展開が目まぐるしく変わる。そのためあくびをする暇がない。
相手役のエヴァ・マリー・セイントもいい。イングリッド・バーグマンでもなく、グレース・ケリーでもなく、ティッピ・ヘドレンでもない。敵でもあり味方でもあるスパイという雰囲気を出すにはぴったりのキャスティングだ。
面白い映画というのはこういうものだということがわかる作品だと思う。

