インドのガンジス川流域に住む家族の物語。
英国人の工場支配人の家族の日常が描かれる。隣家に来訪した退役軍人ジョン大尉に心を奪われる少女たちの思春期から大人に成長していく物語が中心だ。
画面に現れる人たちにはいくつかの境界が存在する。英国人とインド人、身分、障害、親と子、男と女、生と死など。しかし、誰もがその境界を遮るものと思っていない。日々の生活の中で、うまくつきあっている。戦争、植民地主義の影も同時に描かれているが、それさえも受け入れている。
そういった境界は、ことによれば争いの種になるようなものだ。彼らは不作法に他の領域に入り込みはしないが、やりとりはしっかりと存在している。最後には息子の死という悲劇が家族を襲うが、悲しみに暮れながらも彼らはそれを受け入れていく。
いつまでも流れつづけるガンジス川がたびたび画面に現れる。大河は人々の生活の糧でもあるだけでなく、信仰の対象でもある。そして様々なもの飲み込みながら、時の流れのように絶えることない。人間の諍いなど、コップの中の嵐に過ぎないということを再認識させてくれるかのようだ。

