G・K・チェスタトン著「ブラウン神父の醜聞」の感想。

ブラウン神父シリーズの第5集であり最終作。毎日1話ずつ読み進めて、ようやく最後にたどり着いた。

よかったのは、

「ブラウン神父の醜聞」
「古書の呪い」
「ブルー氏の追跡」
「ピンの意味」
「村の吸血鬼」

だんだんとスタイルが固まってきたように思える。最初の頃は、エピソードごとに様々な展開があって、どんな視点を持てばよいのかと探りながら読んでいた。それが核となるトリックがあって、どうやってそれを見破るのかという流れになってきた。今のミステリーに近づいたと言うべきかな。読むのも楽になったように感じる。

かなり読みにくい文体なので、一日一話でじっくり読んだのが正解だったようだ。プリミティブなところを狙ったエピソードが多く、クラシックミステリーの雰囲気に浸れる作品集だと思う。