原作は、ロアルド・ダールの短編小説「番犬に注意」。主演は、ロックフォード氏の事件メモのジェームズ・ガーナー。
ノルマンディー上陸作戦の計画を知るアメリカ軍将校がポルトガルからドイツに拉致される。ドイツには大がかりなアメリカのニセ病院がつくられており、それを利用して極秘情報を吐かせようという計画であった。将校はその企みに気づき、スイスへの逃亡を図る。
ヒッチコックのサスペンス映画とスパイ大作戦を合わせたようなストーリーだ。アメリカのニセ病院のセットはいかにもスパイ映画らしい設定。中盤過ぎまでは、だましの芝居がうまくいくのかでハラハラさせてくれる。作戦がばれてからは逃亡劇になるが、ここはあまり起伏がなくて尻すぼみ感がある。36時間というタイムリミットが機能していたのは、前半だけなのも残念。
ジェームズ・ガーナーの相手役は「北北西に進路を取れ」のエヴァ・マリー・セイントでミステリアスな雰囲気があってよいが、ストーリー的にもう一ひねり欲しかった。それでも水準以上のサスペンス映画であることに間違いない。