古畑任三郎第19話「VSクイズ王 」の感想。犯人役唐沢寿明。(ネタバレ)

唐沢寿明がクイズ王の犯人を演じる。トリックと謎解きに重点を置いたエピソード。

犯人のクイズ王は、番組スタッフから事前に出題テーマを教えてもらう不正で王座を守っていた。ところが急にリークを止められため、自力でキーワードを調べようと衣装部屋へ侵入する。そこで衣装係ともみ合いますになり、はずみで殺してしまう。クイズ番組に出演していた古畑はすぐに現場に呼ばれ、不自然な状況から犯行の手がかりをつかむ。

シリーズの中では、かなり純ミステリーに近いエピソード。取り立てて突飛な設定はなく、謎解きにポイントが置かれている。犯人が密室からどうやって脱出したかは、最後まで明かされない。犯人はわかっているが、方法がわからない構成なので、視聴者も謎解きを楽しむことができる。

密室からの脱出トリックは凝っている。くさやとラーメンの出前のトリックは、やや強引な気がする。そこが面白さでもあるが、テレビ局が舞台だと小道具は何でもありになる。

解決編のトリックは、刑事コロンボ「仮面の男」と同じパターン。コロンボに比べ、あからさまにヒントが入っているのは古畑ファンへのサービスかな。

番組で犯人と対決した女性回答者の名前「堀部靖子」は、赤穂四十七士の「堀部安兵衛」からだと思う。

謎解きに主眼を置いて、よくできた楽しいエピソード。