映画「秋日和」(1960)の感想。小津安二郎監督作品。

小津安二郎監督、原節子出演。適齢期の娘と母親の心温まる親子愛が軸になるほんわかストーリー。

親娘を囲む亡き父親の旧友たちが、いつもながらのいい味をだしている。佐分利信、中村伸郎、北竜二の三人の掛け合いは絶妙。まったく刺激はないただの茶飲み話だが、小津安二郎作品特有の会話は、見ているだけで心がいやさせる。

佐分利信と中村伸郎は、田宮版白い巨塔で医学界の重鎮の役を演じている。ふたりが料亭ではかりごとを相談するシーンがあるが、この映画と対極にあるようなどろどろした雰囲気。同じ俳優どうしの会話でも、こんなに違いがあるのかと驚く。