映画「泥棒成金」(1955)の感想。ヒッチコック監督、グレース・ケリー出演。

ヒッチコック監督のロマンチックミステリー。ケーリー・グラント、グレース・ケリー主演。

ケーリー・グラント演じるかっての宝石泥棒は、引退して南仏で悠々自適の生活を送っていた。ある日、彼の手口を真似た宝石盗難事件が発生し、彼に容疑がかかる。偽物を捜し出そうと真相解明に乗り出すと、ある富豪の令嬢と知り合いになる。

大分前に観たときには、それほどよい映画だとは思わなかったが、改めて観るとなかなか魅せる作品になっていると思う。

ヒッチコックは本当に美男美女が好きだなと思う。美男には自分の姿を重ね合わせているのだろう。カメオ出演のヒッチコックとケーリー・グラントが並ぶシーンがあるが、それを言いたいがための場面に見える。ケーリー・グラントとグレース・ケリーが車中でランチを楽しみながらウイットに富んだ会話をする場面は、一番撮りたいシーンなのだろう。

ストーリーは、「ハリーの災難」や「裏窓」のような軽いタッチのミステリー。背景の風光明媚な南仏の映像は、観光映画になることなく、上手にヴァカンス気分を楽しませてくれる。コミカル感がある謎解きも面白い。

美男美女とロマンス、観光気分の映像、そして謎解きと、うまくバランスがとれていて、気楽に楽しめる作品だと思う。