古畑任三郎第24話「しばしのお別れ」の感想。犯人役山口智子。(ネタバレ)

山口智子が犯人役。シリーズ史上最高視聴率を記録した90分スペシャルバージョン。

犯人の前衛華道家は、独立元の家元から数々の嫌がらせを受けていた。そのため発表会に家元を招待し、舞台から抜け出して殺害してしまう。公演中に客席にいた古畑は、捜査を進めるうちにいくつかの疑問点を見つける。

シリーズの中では、かなり本格的な謎解きミステリーに分類されると思う。被害者を見つける方法、家元との関係、今泉を使った理由、袖がめくれている理由、故障した自動販売機など、考えるべき要素がたっぷり盛り込まれている。90分バージョンのためか、やはり力を入れた脚本であることがわかる構成だ。

そして、犯人役の山口智子の演技がいい。ドリンク剤を飲む場面に代表されるように、気丈な性格とその裏のつらさが全体的に表現されていて、ストーリーに深みがでている。刑事コロンボ「死者の身代金」、「秒読みの殺人」の犯人のキャラクターを混ぜたようで、絶妙の配役だと思う。

90分バージョンにふさわしく、作り込まれてよくできたエピソード。