永井隆著「日本のビールは世界一うまい!」の感想。

日本のビール産業の成り立ちに始まり、ビールの種類と製法、そして近年の激しいシェア争いと開発競争について、年代を追って詳細に記述されている。

時代に応じて合併と分離を繰り返して、今の業界の体制が出来上がる過程は、なかなか複雑。財閥やGHQ、大手銀行などの影響が色濃く反映される業界の歴史は、日本の近代史にもリンクしている。

そして何より興味深いのは、最近の開発競争の内幕。スーパードライ、一番搾りの開発秘話は、プロジェクトXのような物語だ。スーパーに並ぶビールを何気なく見てしまうが、今でも続々と出る新商品の裏にあるストーリーに思いをはせれば、ビールの味も一味違ったものになるだろう。