映画「人間の証明」(1977)の感想。松田優作、岡田茉莉子出演。

1977年公開の角川映画。原作は森村誠一。松田優作、岡田茉莉子出演。

東京のホテルで、刺された黒人青年が「ストウハ」という謎のことばを残し死んだ。青年の父はかって駐留軍として日本滞在したことがあった。別件の女性失踪事件の捜査を進めると。政治家の妻である有名デザイナーとの関係が浮かび上がる。

時代を代表するほど話題になる映画があるが、70年代では「人間の証明」もそのひとつになるだろう。角川映画全盛の作品であり、キャッチコピーがあまりにも有名になった。

とにかくキャスティングが豪華。昭和の名優たちが次々に顔を見せる。各場面で、「いい仕事をしてますね」と言いたくなるような、味のある演技を見せてくれる。更に、ニューヨークでのロケで、ジョージ・ケネディの出演もある。

確かに大作感はハンパないし、ミステリーとしてそれなりには面白い。だが、全体的には、ストーリーをなぞって、つなぎ合わせているだけのような印象を受ける。ファッションショーやカーチェイスなど無駄なシーンも多い。タイトルに含まれる深いテーマまで掘り下げているとは言い難い。

これだけの大作にしては惜しい作品。楽しめることには間違いないが。