谷崎潤一郎原作、若尾文子主演、増村保造監督。脚本は、谷崎潤一郎の「刺青」だけでなく「お艶殺し」とあわせたようなストーリーになっている。
質屋の娘お艶は相思相愛の番頭と駆け落ちするが、悪い奴らの手にかかり、入れ墨を彫られたうえに女郎屋に売られてしまう。しかし、絶望の淵に突き落とされたような境遇になっても、背中に蜘蛛のごとく悪女となって男たちを手玉にとっていく。
若尾文子の悪女っぷりがすさまじい。彼女のエネルギーに比べたら、悪人たちの小ささばかりが目に付くようになる。原作では、山本學演じる彫り師の刺青にかけるすさまじさが表現されているのだろうが、そんなものは吹っ飛んでしまっている。
蜘蛛のようなおぞましさはたっぷりと表現されているが、度の過ぎたおどろおどろしさまではいっていない。悪女的な雰囲気と白い肌との対比が鮮やかで、品のある美しさが悪の魅力と相まって、画面いっぱいに花を咲かせているようだ。

