映画「マスカレード・ホテル」(2019)の感想。東野圭吾原作、木村拓哉、長澤まさみ出演のミステリー。

東野圭吾原作、木村拓哉、長澤まさみ出演のミステリー作品。

3件の予告殺人事件が起き、手がかかりとなる暗号から第4の殺人は高級ホテルで起こるのではと考えられた。そのため捜査員がホテルスタッフとして配置され、警戒態勢をとる。

トリックはかなり凝っている。伏線も随所に配置され、どんでん返しもある。必要以上に連続殺人の説明を加えず、観客に考えさせる工夫はうまいと思う。だが、穴がないようにするためのパッチワーク的構成という印象を受けてしまう。

木村拓哉と長澤まさみのやりとりは、前半はよいが、最後まで同じ調子なので、だんだんと間延びしてくる。キムタク演じる刑事が、斜に構えた生きのいい若い奴という従来通りのキャラクターで、人物として深みが感じられない。

全体的には、面白いし悪くはないと思う。息をつかせない仕掛けが次から次へとでてきて、最後まで楽しめる。高級ホテルの豪華さとホテルマンたちのきびきびとした動きが、非日常のよい雰囲気をだしている。

だが、売れる映画のつくり方を知っている人が、必要なポイントをすべてクリアさせ、合格最低点をとった映画という印象を受けてしまう。2時間楽しめるが、それ以上のものはあまり感じられない。格好いい木村拓哉ときれいな長澤まさみを見るためならよい作品。