映画「マーニー」(1964)の感想。ヒッチコック監督の心理サスペンス作品。

ヒッチコック監督による心理サスペンス映画。主人公のマーニーはティッピ・ヘドレン、夫の会社経営者はショーン・コネリーが演じる。

マーニーは、過去のトラウマから赤色を異常に怖がり、常軌を逸した行動に出ることがあった。その心理的抑圧のためか盗癖があり、これまでにも何度も会社の金を持ち逃げしていた。新しい職を得た会社の経営者は、それを知りつつも彼女に結婚を申し込む。二人の新婚生活は始まったが、マーニーの異常な行動はおさまらない。夫はなんとか助けようと、マーニーの心の深い闇に迫る。

この作品の評価があまり高くないのは、他の作品とちょっと違ったところがあるからだと思う。「サイコ」や「鳥」など、主人公が感じる恐怖を観客も同じように感じることができるが、この映画は違う。赤に対して恐怖を感じることはないからだ。

恐怖専門家と言うべきヒッチコックは、おそらくこういう種類の恐怖についても、感性で自分のものとすることができたのではと思う。だからこそ、ヒロインの迫真の演技も引き出すことができたのだろう。

ただの謎解きサスペンスストーリーというだけでなく、サスペンス映画監督ヒッチコックの才能の片鱗をみることができる作品。