映画「エンテベ空港の7日間」(2018)の感想。

エンテベ空港奇襲作戦の映画化。

1976年にハイジャックされたエールフランス機には多数のイスラエル人が搭乗していた。犯人の過激派たちは、ハイジャック機をウガンダのエンテベ空港に着陸させ、イスラエル政府にパレスチナ過激派の解放を要求した。イスラエルは極秘裏に特殊部隊を派遣し、人質奪回のための奇襲作戦を敢行する。

ドキュメンタリーではないが、事実をたどるような構成。犯人たちをただの狂信的なテロリストとしてではなく、多少の心理的苦悩も描かれる。だが、どのような経緯でこの事件が起きて進行し、解決に至ったかのストーリーが中心。そのためイスラエル側とパレスチナ過激派側のどちらかに加担するわけでなく、遠くから眺めるような撮り方だ。

肝心の突入作戦のときに、ダンスシーンがオーバーラップするのはちょっとピント外れのような気がする。戦闘員たちの動きをダンスにたとえているようだが、緊迫のシーンがぶつ切れになってしまっている。突入までの経緯はかなり詳細な描写なのに、作戦自体はあっという間に終わったという印象だけが残る。実際には現場では想定外の出来事が立て続けに起こっているはずなのだが、そのあたりまで克明に描いて欲しかった。