映画「野性の証明」(1978)の感想。森村誠一原作、高倉健、薬師丸ひろ子出演。

1978年の角川映画。森村誠一原作、高倉健、薬師丸ひろ子出演。

主人公は、自衛隊の特殊工作隊の元隊員。いくつかのストーリーがからみ合って、なかなか複雑な構成になっている。容赦ない規律の特殊工作隊。部落での大量殺人事件、養子とした犠牲者の娘との親子関係、地元の暴力団まがいの有力者による地元支配とそれを告発する新聞記者たち。原作を読んでいないので何とも言えないが、ちょっとつくりが粗い。うまく噛み合えばかなり重厚な話になったのではないかな。

それでも豪華な出演陣とお金のかかった戦闘シーンなどはさすがに当時に角川映画。強引ともいえる戦車とヘリコプターのシーンの迫力はハンパない。高倉健はいつものような高倉健だし、薬師丸ひろ子の可憐な演技、三國連太郎、夏八木勲、松方弘樹、成田三樹夫の存在感。70年代に雰囲気がしっかりとつまっている。