映画「動乱」(1980)の感想。高倉健、吉永小百合主演の2.26事件。

高倉健、吉永小百合出演。2.26事件を背景に描いた歴史大作。

高倉健演じる陸軍将校は、常々政治や軍部の腐敗により苦しむ国民生活を何とかしなければという思いを持っていた。陸軍内の同志を集め、クーデターにより政治改革を行おうとする。しかし、かっての部下の姉である妻の存在には、後ろ髪を引かれる思いがする。

高倉健と吉永小百合の二大スター共演で話題になったためか、その夫婦愛情物語ありきの構成になってしまっている。背景の昭和初めの軍部台頭から2.26事件までの暗雲とした時代の描き方も少し甘い。そのため、本来作品に重厚さが加わるはずであった抑圧された時代の雰囲気を生かしきれていない。夫婦の物語をとってつけたようなかたちになって、名優ふたりの演技を浮いてしまっている。

力の入った大作であることに間違いはないし、高倉健と吉永小百合の名演も健在。だが、ちょっとちぐはぐで残念な作品。