映画「女王蜂」(1978)の感想。横溝正史原作、市川崑監督のシリーズ第4作。

市川崑監督の横溝正史シリーズの第4弾。おなじみの出演者たちが次々に登場する豪華キャスト。

19年前に起きた事件の捜査を依頼された金田一耕助は、伊豆の旧家を訪れる。その家の令嬢の求婚者が殺され、かっての事件との関係を調べると、複雑な事情が徐々にわかってくる。

映像は美しい。市川崑監督は一時期テレビのCMでも活躍していたことがあった。その頃の映像を思い出させるような、落ち着いた雰囲気のカットが多い。

話が入りくんでいるので、全貌を説明するのはかなり難しかったと思う。比較的わかりやすく登場人物の相関関係がわかるような構成にはなっている。ちょっととってつけたような設定もあるのと、最後の謎解きが詰め込みすぎという印象を受けるのがマイナス点。

岸恵子に華があるし、その華やかさをうまく描写している。登場人物のひとりにフォーカスを当てるつくりの作品は、金田一耕助シリーズでは珍しいと思う。哀愁を感じさせる映画だ。