映画「ゴジラvsキングギドラ」(1991)バブル期のゴジラはこうなっていた。

バブルの末期につくられたゴジラ。登場する怪獣はゴジラとキングギドラ。

タイムマシンでやって来た未来人が、ゴジラが将来日本を破滅に追い込むため、過去にさかのぼって歴史を変えたいと協力を求めてくる。政府はこれに協力してゴジラを葬ってしまうが、未来人は正体をあらわしキングギドラを使って日本を征服しようとする。

初期の頃とは違って、この時代にゴジラとキングギドラが戦うだけでは単調になってしまうので、脚本にはいろんな工夫がみられる。未来からの訪問者という突飛なオープニングで掴みはバッチリ。タイムマシンで過去に飛び、1944年の太平洋戦争中のマーシャル諸島に移動して、ゴジラ誕生を阻止するあたりもよいと思う。途中で、ゴジラとキングギドラの善悪が入れ替わるのも予想しない展開。背景には23世紀の国際関係があるという設定もよいと思う。

細かく見ればそれは変だという点もあるが、流れとしては悪くない。外国人タレントを多数起用しているのはマイナス。プロの俳優でない演技のぎこちなさに違和感を感じてしまう。スピルバーグの父親らしき軍人が出るは少しやり過ぎ。

特撮はチープな場面も多いが、戦うキングギドラの造形はなかなかのもの。古い時代のそのままの技術と当時の最先端の技術が混じり合っているような映像が多い。

ゴジラものとしては、それなりには楽しめる作品。