映画「ランボー」(1982)の感想。ベトナム帰還兵の悲哀。

ランボーシリーズの第1作。シルベスター・スタローン主演。

ベトナム戦争の帰還兵であるランボーは、田舎町に戦友を訪ねる。そこでいわれのない罪のため、保安官に追われる身となる。そして、数百人の警官を相手に死闘を繰り広げる。

大筋としてはアクション映画だが、同時にベトナム帰還兵の悲哀が描かれる。国のために戦い英雄となった兵士でも、反戦運動が巻き起こっている祖国に帰ると居場所さえない。そういった状況に直面するランボーを通して、当時の社会状況がうつしだされている。

保安官は無闇に権力を振り回すだけの存在ではない。自分の街を守るという使命感のために、横暴な権力行使をするという設定。

元上官である大佐は、ランボーに同情を示しながらも、煮え切らない態度をとるだけだ。

立場の違いにより生じる隘路に陥ってしまったランボー。超人的なアクションを見せるだけでなく、背景の深い問題も示唆する作品。