北村浩子著「日本語教師、外国人に日本語を学ぶ」の感想。

日本語を学ぶ9人の外国人へのインタビューで構成されている。日本人が気づいていない日本語の特徴を知ることができるのはもちろんだが、外国語学習という観点で見れば非常に興味深い示唆に満ちている本だ。

どの方もかなりの上級者で日本語能力試験でN1クラスだ。試しにN1の問題を調べてみたら、難しくて驚いてしまった。日本人でも戸惑うようなものが多い。

テレビでも日本語を流暢に操る外国人をよく見かけるし、彼らの日本語能力の高さにも驚く。タレント化している人も多いが、かなり優秀な人たちであることは学歴や職歴を見れば一目瞭然だ。優れた頭脳の持ち主が多大な労力をかけて習得してあのレベルになっていることも見逃せない。

日本人にとって英語が難しいように、外国人にとっての日本語は相当に難しい言葉のようだ。インタビューされている人たちの経験にも、そういった努力の跡が見てとれる。

インタビューを読んで感じるのは、学習方法は様々であるが誰もが強い熱意を持っていること。そして継続してかなりの時間を割いて勉強に当てていることだ。当たり前だが、これが外国語学習の肝になるということだろう。