映画「ある閉ざされた雪の山荘で」(2024)の感想。東野圭吾原作。

東野圭吾原作のミステリー。

人里離れた山荘に集められた劇団員男女6人。新作舞台の主演を決めるために、姿を見せない演出家からのオーディションとして4日間の合宿を課せられる。すると一人ずつ姿を消し、殺人が行われたかの痕跡が発見される。

「そして誰もいなくなった」を念頭においたような構成で、今となっては目新しさはない。それなりのトリックが用意されているのだが、どうもそれだけのストーリーで終わっている感じがする。

原作は未読なので何とも言えないが、原作を演劇化してそれを更に映画化したようなつくりになっている。演劇臭さがそのまま残っているので、映画として見るとちぐはぐ感がある。出演者の演技にたより過ぎて、セットや映像があまりにも無機質的。感情をこめたセリフだけが無駄に響き渡る感じ。劇団員のキャラもあるにはあるが、劇団員A、B、Cくらいで十分なつくり込み方で、ストーリーを盛り上げるためのキャラになっていない。

トリックだけを重視する作品だと往々にしてこういう雰囲気を持つ作品はあると思う。それが悪い方向にでている感じの作品。