映画「探偵物語」(1983)の感想。コミカルな松田優作。

薬師丸ひろ子と松田優作が共演した角川映画。赤川次郎のオリジナル脚本で、ミステリータッチのコミカルなラブストーリー。

1週間後にアメリカに旅発つ女子大生。その前に、ボディガードを依頼された探偵が現れる。終始つきまとう探偵は、初めはけんもほろろの扱いをされる。そんな折、ふたりが殺人事件に巻き込まれてしまい、捜査を進めるうちに二人の関係は接近する。

松田優作が「あまちゃん」の松田龍平にそっくりだ。こういうとぼけた役での演技は「家族ゲーム」でも見ることができ、ハードボイルドとは正反対のもうひとつの松田優作を見ることができる。

基本的には、薬師丸ひろ子を見るための作品だが、それだけではない。ミステリーとしての脚本も練られていて、ふたりの物語とうまくかみ合っている。これからどうなるのかという期待感を最後まで持たせ続ける。

長回しで動きの少ないシーンがあるが、微妙な機微を表すふたりの演技はさすがだ。

タイトル「探偵物語」の字体が、「偵」の字だけ違ったフォントになっているのに気がついた。なぜだろう。

薬師丸ひろ子を見るためだけでなく、80年代の雰囲気を味わえ、気軽に見れるミステリーとしてもよくできた作品だと思う。