映画「乱れからくり」(1979)の感想。松田優作主演、泡坂妻夫原作。

泡坂妻夫原作、松田優作主演のミステリー。会社オーナー一族で起きる連続殺人事件。そこに松田優作演じる新米探偵が事件の解決に乗り出す。

構成はかなり凝っていて、未読だがかなり面白い原作をもとにしていることが想像出来る。裏に何かありそうな富豪一族、仕組まれたような事故と殺人事件、金沢に残された過去のカラクリ師たちの足跡、洞窟に仕組まれた迷路、そこから導かれる一族の裏の関係。ただ、脚本が粗い。パーツをつなぎあわせただけのようで、流れが悪いので興ざめだなという場面が何度もでてくる。最後の告白も、こんな感じで出されたらせっかくの筋立ても台無しになってしまう。

こんなギクシャク感のあるストーリーだが、松田優作、野際陽子、田中邦衛の実力派三人の演技によって、それなりには見れる出来にはなっている。とくに、松田優作の飄々たる演技と存在感はさすがだ。