映画「U・ボート」(1981)の感想。極限状態の恐怖。

1981年製作の西ドイツ映画。連合軍の護送船団攻撃のためにフランスから出向したUボート。ようやく敵船団を発見し戦果を上げるが、敵駆逐艦からの攻撃を受け窮地に陥る。

Uボートというと、連合国軍にとっては脅威の存在。神出鬼没な戦闘マシーンといった扱い方をされる戦争映画でのイメージがある。

この作品ではUボートの内部が、ドイツ側の視点から描かれる。それも人間的な観点から。潜水艦員たちの生活臭が漂う艦内の様子。恋人に会いたいし、クリスマスに帰りたい。彼らも普通の人間。

閉じられ空間での過酷な艦内での生活。敵駆逐艦の攻撃にさらされ、極限状態に置かれた艦内の緊迫感。機関の故障で、浮上不能の危機に陥ったときの絶望感。これらが乗組員の汗で表現される。

憎むべき敵であるドイツ軍であっても、そこのいるのは人間という当たり前の現実。戦闘であってもそこには人間の生活があるという視点から、戦争の無意味さを表現している。