国枝栄著「覚悟の競馬論」書評感想

JRAの調教師による競馬論。著者はアーモンドアイ、アパパネ、マツリダゴッホなどを管理したJRA美浦所属の調教師。例年リーディングの上位にランクされ、通算勝利数では現役2位。

自身の競馬界へ入った経緯、助手時代のこと、イギリス研修など、自身の経験を振り返りながら話が進む。アーモンドアイの凱旋門賞断念の内情、安田記念後に武騎手からの謝罪などの内輪話。藤沢調教師との関係、藤田菜七子騎手について。調教師としての馬の管理の仕方、馬体の見方も。そして、東西格差やJRAへの提言もある。

いわゆる内部の裏情報的なものではない。今の競馬界を牽引するひとりである著者が持っている危機感、競馬界のあり方についての正統派の提言。