江戸川乱歩編「世界短編傑作集 2 」の感想。

第2集は、1900年代の初頭1/4世紀くらいの時代に発表された作品が集められている。どれも凝っていて面白い。凝り過ぎだと思うようなものもある。

とくに面白かったのは、

赤い絹の肩かけ
オスカー・ブロンズキー事件
ブルックベンド荘の悲劇

「赤い絹の肩かけ」は、リュパン対ガニマール警部。ルパン三世のように、リュパンが一方的に怪盗ぶりを発揮する。

「オスカー・ブロンズキー事件」は倒叙式で ダイヤモンド商の殺害事件。これが一番よかった。刑事コロンボや古畑任三郎のように、些細な手がかりから犯人にたどりつく過程は、時代を考えてもなかなか完成度が高い。

それから凝ったトリックを使ったエピソードのなかでは、「ブルックベンド荘の悲劇」がいいかな。落雷感電死を装ったトリック。

 

新版では、G・K・チェスタトン「奇妙な足音」が新たに収録されている。そして「好打」は第5集へ、「窓のふくろう」は第3集へ移動している。