古畑任三郎第11話「さよなら、DJ」の感想。犯人役桃井かおり。(ネタバレ)

桃井かおりが犯人のラジオDJを演じる。

桃井かおり演じる犯人は、ラジオの人気DJ。恋人を自分の付き人に奪われたため、生放送中に抜けだし、駐車場で待つ付き人を殺害する。急いでスタジオに戻り、完璧なアリバイをつくったかに見えたが、捜査を始めた古畑は疑問を持つ。

桃井かおりの演技が見どころ。気だるい雰囲気が全体をおおっているが、時折見せる犯人としての表情は秀逸。殺害の際に被害者にかける一言。古畑に追い込まれるにつれ見せる焦り。古畑に追い込まれて最後の対決するときの悪あがき。古畑と犯人の掛け合いも、息がぴったりだ。

アリバイづくりのために、全力疾走する姿も追い立てられる感じがにじみ出ている。この元ネタとなった刑事コロンボ「秒読みの殺人」は、上昇志向の強いキャリアウーマンの挫折を描いた名作だが、本作の桃井かおりもそれに匹敵するくらいの演技をしていると思う。

解決編は、刑事コロンボ「仮面の男」のトリック。バカボンのパパという設定は笑える。

桃井かおりの演技、古畑と犯人のやりとり、トリックと、すべて見応えあるエピソード。「赤い洗面器の男」の話が初めて登場する。