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バルドゥイン・グロラー著「探偵ダゴベルトの功績と冒険」の感想。オーストリアのコナン・ドイル。

20世紀初頭のウィーンが舞台。素人探偵ダゴベルトは、社交界で起きる様々な事件を解決する。全9編の短編集。 オーストリア帝国末期の上流階級が舞台というだけでも変わっている。この時代の社会や出来事が詳しく触れられているわけではない。ただ、貴族階...

「令和版 新・BCLマニュアル」の感想。

前作の「令和版BCLマニュアル」から3年経って、新しい「令和版 新・BCLマニュアル」が出た。改訂版になるが、大幅増補されている。 ページ数が増えているだけでなく、相当に力の入った編集がなされている。新しい記事がかなりあって、それだけでも読...

渡辺靖著「アメリカとは何か」書評感想。今のアメリカを知るための好著。

「何故、トランプは不死身なのか?」という帯の文句を切り口にして、アメリカ政治の現状を解説した本。 今のアメリカ政治をひとことで言うと複雑。赤か青かで色分けできた時代は、はるか昔に過ぎ去ってしまっている。 本文中に、現在の政治的対場を概略化し...

道上尚史著「韓国の変化 日本の選択」書評感想

著者は現役の外交官。12年に及ぶ韓国勤務を経験した外務省きっての韓国通。 外交官としての著者の苦労がしのばれる経験談だ。駄々っ子のように一方的な主張を繰り広げる韓国。一方では、日本に学ぶべき点を真摯に見つめ良好な関係をつくるのが必須と考える...

「独学の教室」の書評感想。

雑誌「kotoba」の独学特集を再編集したもの。各界の著名人たちが独学について語っている。 独学がブームになっているようで、最近この種の本をよく見かける。独学と言うと、資格試験や外国語学習を思い浮かべるが、この本では、美術、マンガ、数学、冒...

高木彬光著「人形はなぜ殺される」の感想。

著者の作品の中でも傑作と言われていることは知っていたが、最近まで読む機会がなかった。ブックオフで見つけたので購入。探偵役は神津恭介。 マジック発表会で、ギロチン手品の小道具である人形の首が盗まれた。その首が、首なしの人の死体のそばに転がって...

佐藤優著「プーチンの野望」の感想。

ロシアはなぜウクライナに侵攻したのかという問いに、ロシアの専門家である著者が知見をまとめた本。 現在のような状況になっては、ロシア側の事情をどんなに説明しても、世間は耳を貸さなくなっている。それでも、ロシアについて知るのは大事だという著者の...

鈴置高史著「韓国民主政治の自壊」書評感想。韓国の本質を知るための本。

著者は、元日経新聞編集委員、元ソウル特派員。BSフジのプライムニュースで韓国通としてお馴染みジャーナリスト。 現代の韓国が抱えるいろんな問題とその背景にある韓国特有の事情が興味深い。 自国を礼賛する強烈なナショナリズムがある一方で、国家とい...

木村幹著「韓国愛憎」書評感想。韓国研究者の半生記と韓国現代史。

著者は韓国研究の第一人者。自身の半生を振り返って、研究者として歩んだ30年を振り返る。 前半は、どのように韓国に関心を持つようになったかと駆け出し時代の悪戦苦闘の記録。あらゆるつてを頼って、研究者としての足場をつくるために苦労した体験が語ら...

河東哲夫著「ロシアの興亡」書評感想。ロシアを知るためのガイド本。

著者は元ロシア公使、元ウズベキスタン・タジキスタン全権大使をつとめた外交官。最近のウクライナ侵攻を含めて、ロシアの政治、経済、歴史、社会、民族について読み解いた本。 歴史を振り返れば、ロシアが欧米の列強と覇権を競って数々の戦争の当事者であっ...
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