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横溝正史著「真珠郎」の感想。

1936年から1937年に発表された怪奇ミステリー。後の角川で映画化された有名作よりも前に発表された作品。金田一耕助も登場しない。登場人物は少ない。地方名家の古い因襲というパターンもそれほど強くない。語り手の若手研究者椎名耕助が、同行者の乙...

小川哲著「地図と拳」の感想。

著者の直木賞受賞作。20世紀前半の満州が舞台。当時の満州は、日中露の3カ国がしのぎを削るホットスポット。登場人物も多く、それぞれが我が道を突き通そうとして衝突したり手を組んだりと、様々な人間模様が展開する。半世紀に及ぶ絵巻物のような物語だ。...

ジョン・ル・カレ著「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の感想。

スマイリー3部作の第1弾。傑作と言われているだけあって、さすがに読み応えがある。舞台の多くはサーカスこと英国情報部の本部で、いわゆるオフィスビルだ。幹部たちが秘書をしたがえてそれぞれの個室に陣取っている。書類が積み上がり、煙草をふかしたりコ...

高木彬光著「女か虎か」の感想。

タイトルは、リチャード・ストックトンのリドル・ストーリー「女か虎か」に因んでいる。読者に選択肢だけ示し結末を委ねるというスタイルで、それをもとにした構成になっている。ある晩、警察に通報があり警官が駆けつけたが、ただの夫婦喧嘩として処理された...

高木晶子著「想い出大事箱」の感想

著者は高木彬光の長女で、父との思い出を綴ったエッセイ集。高木彬光の家庭での姿を知ることができ大変興味深い。山田風太郎をはじめ、江戸川乱歩や横溝正史との交流がどんなものであったかの証言も貴重だ。江戸川乱歩が高木彬光と山田風太郎を評して、「山田...

高木彬光著「霧の罠」の感想

「グズ茂」こと近松茂道シリーズの一作。マンションの一室で起きた殺人事件。そばに負傷して倒れていた男が容疑者となり取り調べを受ける。だが、その男は記憶を失っており、自分が誰であるかもわからない。説明のつじつまだけはあっているが、どうも怪しい。...

カトリーヌ・アルレー著「目には目を」の感想。

4人の男女の独白によるミステリー。登場人物は、青年実業家ジャンとその妻アガット、友人で富豪のマルセルと病弱な姉の女医マルト。4人はそれぞれの思惑を抱きながら家族ぐるみの交際を始める。しかし根本は愛と欲。打算に裏打ちされた胸の内がつづられ、事...

宮家邦彦著「中東 大地殻変動の結末」の感想。

著者は元外交官で中東の専門家。イスラエル、イランを中心とした現在の中東情勢の解説本。「混迷を深める」という枕詞が常につけられる中東情勢。簡単な解説書を読んでも、とにかくわかりずらい。イスラエルは長い歴史と建国以後の周辺国との戦い。アラブ側も...

NHK取材班「あの時、世界は… ―磯村尚徳・戦後史の旅」の感想。

1978年に放送された「NHK特集 あの時・世界は… 磯村尚徳・戦後世界史の旅」の9回シリーズをまとめた3冊本。第1巻・ ワルシャワの墓標・マンハッタン秘密計画・進め、デリーへ!第2巻・引き裂かれた聖地・ファイサル王の決意・ドゴールの挑戦第...

藤田晋著「勝負眼」の感想。

タイトルに惹かれて読んでみた。著者はサイバーエージェントの藤田晋社長。IT業界の代表的な成功者として有名だ。成功者のビジネス哲学的な話かと思ったが、教訓的なことはところどころに語られているのみで、自身のこれまでのエピソードをまとめたようなス...
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