アンソニー・ホロヴィッツ著「ヨルガオ殺人事件」書評感想

ベストセラーを連発するホロヴィッツによる新作。同著者の「カササギ殺人事件」の続編になる。

「カササギ殺人事件」の主人公であった元編集者のもとをイギリスから裕福な夫妻が訪ねてくる。娘が失踪し、8年前の夫妻所有のホテルで起きた殺人事件に関係しているらしいという。捜査の依頼を受けて、イギリスに向かう元編集者。

この作品も「カササギ殺人事件」と同様に、作品の中にもう一つ作品がある入れ子構造になっている。探偵役の紹介として、もう一つ短編も入っていて、3つの物語を楽しむことができる。

前作同様に、ストーリーにテンポがあって、すらすらと読むことができる。作中作品がヒントになるため対比を考えながら読ませる手法もうまい。

ミステリーの謎解きもパズルのようで面白い。作中の短編金庫破り事件だけでも、十分に楽しめるくらいのレベルがある。

「カササギ殺人事件」の続編で、前作を読んでいなくても話にはついていけるが、できれば読んでおいた方がよいかも。

ベストセラーになっているだけあって、面白く最後まで読むことができる納得の作品。