数学者高木貞治の評伝。
高木貞治といっても、「解析概論」の著者で偉い数学の先生くらいしか予備知識がないが、何となく気になって手に取ってみた。
明治初めに生まれ、その後世界的な業績をあげ、晩年にいたるまでの数学者としての一生が書かれている。
下手に天才の軌跡といった取り上げ方でなく、淡々と数学者としての足跡を追っている。正直、数学の話はちんぷんかんぷんだが、明治初期の国の将来を背負ってドイツに留学し、帰国後は東大教授として数学界の発展のために尽力した姿を想像することはできる。
一般向けであり、門外漢であっても数学の世界の一端を知ることができる本。
