佐藤優、宮家邦彦著「世界史の大逆転」書評感想

元外交官の著者による最近の国際情勢の見方についての対談。外交問題についての論客ふたりが、テレビラジオでは言い尽くせないことを、東アジア、感情の国際情勢、核拡散の時代へ、中東と「脱石油」、AI、民主主義の限界の6つのポイントから解説。

1953年体制崩壊の崩壊から新アチソンラインへ
北朝鮮のパキスタン化
朝鮮半島戦争回避と統一国家の心配
感情で動く国際情勢
アメリカ対中政策変化
中国体制は思ったよりも強い
習近平はメンツでがんじがらめ
プーチンは中国より日本をとる
プーチン独裁者であるが専制君主でない
核抑止から核拡散へ
イランの核開発は再開する
中東でアメリカは善意の仲介者の役割を放棄
ヨーロッパ脱石油は中東ロシアアメリカ離れ
原発には依存せざるを得ない
新帝国主義時代では強いリーダーが求められる

佐藤氏はロシア、宮家氏は中東の専門家であり、さすがにその分野には詳しく、興味深い解説が聞ける。すべてを盛り込んだ一冊なので、説明が深められないところもあり、分野別のこういった本を出してもらいたい。