著者は、元中国大使、元伊藤忠商事会長。中国をよく知る立場から、全体的に中国に好意的な論調で、中国の現状と将来を語った本。
・危機をあおる中国脅威論、メディアの責任
・中国を知らない人による反中嫌中論は不毛
・習近平にはリーダーとしての器がある
・権力を集中は当然で、暴走説は誤り
・習近平は5年で身を引く
・中国は中国民主主義連邦国家となるべき
・覇権を求めてはいない
など。
マスコミによる報道をみていると、中国は世界制覇を企み習近平は悪い独裁者という一方的なイメージを持ってしまいがち。国と国との関係は、敵対する部分と友好的な部分が複雑にからみ合って出来上がっているもの。友好的な立場の主張も常に入れておかないと、一方的な考えを持ってしまう。
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