映画「誇り高き挑戦」(1962)の感想。深作欣二監督、鶴田浩二主演。

1962年公開のサスペンス映画。鶴田浩二、丹波哲郎出演。深作欣二監督の初期作品になる。

朝鮮戦争の特需景気が終わっても裏で武器密輸出事件を続ける企業。元諜報部員で武器ブローカーの丹波哲郎。そして依然として裏のビジネスを続けるアメリカ人と進駐軍を思わせるような米軍の兵士たち。時代を感じる設定だ。

限られた予算で国際陰謀事件を描ききる手腕はさすが。拳銃をちらつかせるシーンが多いのはご愛嬌だが、テンポがよくプロットも結構本格的で、最後まで楽しむことができる。

主演の鶴田浩二は、はみ出しものの新聞記者。社会の不条理を追求しようとする姿勢は、この映画の大きなメッセージ。見方によっては、反米のような雰囲気もあるし、長いものには巻かれろ的な社会に向けた反骨精神の現れでもあるのだろう。何よりも、作品全体を通じてあふれ出るようなエネルギーを感じる。こういった活力が後の仁義なき戦いシリーズで爆発したのだろう。