映画「シン・ゴジラ」(2016)の感想。パニック映画の秀作。

ゴジラシリーズの第29作。2016年公開。かなり力の入った大作。

ゴジラの映画と言うよりもパニック映画。官邸内での官僚たちの奮闘がメインで、ゴジラは脇役的な存在だ。3Gが当たり前になった今となっては、ゴジラの造形は行きつくところまで行ってしまった。体中からレーザービームを発射して暴れまくるだけでは、話題性には乏しい。

一方のパニック劇は、とにかくスピード感満載。流れでるように繰り出される切れ味鋭いセリフは、まるで劇場での芝居を見ているようかのようだ。官邸や自衛隊の協力を得ているだけあって、臨場感はさすが。石原さとみの役柄だけが、漫画のきれいなお姉さんキャラをそのまま突っ込んだだけにしか見えず、浮いていたのが惜しい。

映像はすばらしいと思う。実写、3Gともに高いレベルで、画面から感じる迫力はハンパない。登場したときのゴジラの首が、ローストビーフに見えて仕方がなかったのはご愛嬌。

ヒットしただけあって、かなりよい娯楽映画に仕上がっている。おすすめ。