映画「サイコ」(1960)ヒッチコック監督の感想。古典的サイコサスペンスの名作。

今では古典的名作と言えるヒッチコック監督によるサイコサスペンス。

不動産会社に勤める女性が、会社の金4万ドルを銀行に運ぶことになる。自身の結婚のため、その金を車で持ち逃げして、あるモーテルに泊まる。そこで影のある経営者の青年と出会い、思いもかけない展開になる。

前半の、横領事件の逃亡劇だけでも、ハラハラどきどきの展開で、何が起きるのかという期待感が盛り上がる。そこであの有名なシャワーシーンで急展開。不気味な幽霊屋敷の秘密が徐々に明らかになり、真の犯人がわかる衝撃の結末まで、スリリングなストーリーが続く。

場面を分解してみれば、とくに怖いという映像ではない。そこはヒッチコック監督。怖いと思う気持ちが、更に恐怖感を増幅させるとう心理テクニックを最大限に利用する。心理的なトリックにかかると、交通取締りの警察官さえ、不気味な存在に見えてくる。

刑事コロンボ「忘れられたスター」で犯人役を演じたジャネット・リーは、被害者役としては適役。ただ、無垢な美しいだけでなく、何か不安を感じさせる不安定な美しさはこの役にぴったりだ。アンソニー・パーキンスの内面の狂気の表情もよい。

ヒッチコックの技法がつまった古典的心理サスペンス。