映画「鷲は舞いおりた」(1976)は戦争冒険として楽しめる

原作は、ジャック・ヒギンズによる傑作冒険小説。だいぶ前に読んだことがあり、息もつかせぬ面白い作品だったことを覚えている。

ドイツの敗色が濃厚となる第二次世界大戦の終盤、チャーチルの拉致という荒唐無稽の特殊任務を受けたドイツ部隊。英国領内にある寒村入り込んでポーランド義勇軍に扮し、誘拐の機会をうかがう。

歴史にはチャーチルが誘拐されたという事実はないので、うまくいかない作戦であることはわかるが、原作の筋立てがよくできていて違和感のないストーリーに引き込まれる。

義侠心のある人物たちを何人か配置して、人情味のあるストーリーを盛り込んでいるのがうまい。凄惨な殺し合いのシーンはあるが、ただの殺戮映画にはなっていない。ドナルド・サザーランドはいい味を出している。

うまくいかなくなると、無かったことにして握りつぶすというオチは、終わり方としてはうまいね。

戦争冒険ものとしては、なかなか楽しめる作品。