映画「女王陛下の007」(1969)の感想。少しシリアスなボンドもいい。

007シリーズ第6作。ジョージ・レーゼンビーがジェームズ・ボンドを演じる。少しシリアス系のボンドを見ることができる。

スペクターの首領ブロフェルドの捜索を命じられたボンドは、カジノでトレーシーと出会う。犯罪組織のボスである彼女の父親からブロフェルドの情報を得て、スイスアルプスにある研究所に潜入する。そこで細菌兵器による世界戦争を目論む計画が進められていることを知る。正体を見破られたボンドは、トレーシーの助けを借りて脱走する。

ショーン・コネリーのボンドに比べると、レーゼンビーは控えめのボンドだ。派手さがないので、むしろシリアスなスパイものに合っているように思える。

前半のサスペンスタッチと後半のアクションは対照的。とくに導入に犯罪組織のボスの娘を登場させてから、紋章院を語って秘密研究所に入り込むまでは緊張感がある本流スパイものといった印象を受ける。

このままシリアス路線でいくのかと思ったところ、後半はがらっと趣が変わってアクションものになる。カーチェイス、スキー滑降からボブスレーまであり、アクションとロマンスをからめたいつものボンドとなる。

ボンドの魅力を中心に据えたコネリーのシリーズとは異なり、スパイ映画の本筋に近づけた構成。前半の雰囲気で最後までつくれば、それまでとはまったく違った007になっていたと思う。