映画「汚名」(1946)の感想。ヒッチコック監督のスパイ映画。

イングリッド・バーグマンとケーリー・グラント共演のスパイ映画。

父親がナチスのスパイ容疑で有罪となった娘アリシアに、FBIのデブリンが接近する。彼女にブラジルのナチ組織を探る任務を依頼するためだ。そしてナチの首謀者にハニートラップを仕掛け、ついには結婚し、組織の秘密を手に入れる。だが、正体を知られ窮地に陥る。

純粋なスパイ映画というよりも、ラブストーリーサスペンスといった作品。これでもかというほどイングリッド・バーグマンの表情が映し出されるので、バーグマンを見るための映画と言ってもよいかもしれない。

ストーリーはシンプルでひねりなし。ナチスの陰謀という壮大なプロットはあるが、画面には豪華なセット映像が映し出されるだけ。そこはヒッチコックらしく、心理的恐怖感をあおる手法で、サスペンス劇として仕上げている。最後のオチは急展開だが、一応クライマックスになっている。

ヒッチコックの作品としてはふつうの出来だと思うが、1946年公開と考えるとよくできていると思う。やはり、バーグマンの映画だ。