1970年公開のソフィア・ローレンの代表作。第二次大戦によって運命を狂わされた夫婦の悲哀の物語。
ストーリーは、超メロドラマといった話で、つくったような展開。この映画の見どころは、ソフィア・ローレンの迫真の演技。夫を戦争に送り出しその帰りを待つ妻、戦争が終わっても戻らぬ夫の生還を信じる妻、別の女性と新たな生活をしている夫を見つけ絶望する妻、そして最後の本当の別れ。それぞれの顔を見事に演じ分けている。どんなにくすんだメイクで地味な服装であっても、画面から受ける迫力はすごい。
映像は重厚で、ストーリーと相まって重苦しい雰囲気をよく出している。当時のイタリアとソ連の片田舎の風景は、庶民にふりかかる哀しいストーリーにふさわしい。
改めて観て、夫のマルチェロ・マストロヤンニが従軍したのは独ソ戦であったことに今更ながら気がついて。直接の戦闘場面は少ないが、反戦映画としても心に刺さる作品だ。