映画「梟の城」(1999)の感想。司馬遼太郎原作の忍者映画。

司馬遼太郎原作の忍者小説を映画化。篠田正浩監督、主演中井貴一。

権力者により虐げられてきた伊賀忍者たち。残党の葛篭重蔵は、豊臣秀吉暗殺の密命を受ける。一方、馴染みの伊賀ものが秀吉方の家臣となっており、重蔵は対決を余儀なくされる。

先ず、映像に美しさには目を見はる。CGによって再現された当時の街並みや豪華絢爛な大阪城はすばらしい。全編にわたって手抜きのないセットが次々に現れる。

映像に力を入れすぎたせいかストーリーは平板。きれいな映像をつなげただけで、メリハリがない。伊賀忍者の生存をかけた戦いが描かれている割には、あまり緊迫感がない。出演者の演技はよいと思うのだが、原作のよさが活かされていない感じがする。

ちょっと残念な作品。逆に原作を読みたくなった。