古畑任三郎第39話「すべて閣下の仕業」の感想。犯人役松本幸四郎。(ネタバレ)

スペシャルエピソード。犯人役は松本幸四郎。

犯人は、ラテンアメリカ某国の日本大使。自分と企業との不正なつながりを暴露しようとしていた若手参事官を、発作的に殺害してしまう。テロリストによる誘拐を装うが、偶然大使館を訪れていた古畑が捜査を開始する。

ストーリーとしては、通常バージョンと同じで、古畑対犯人の対決が主軸になる。ただ、スペシャル版なので設定も大がかりで、脚本はいつもよりもたっぷり時間をとっている。犯人と古畑の対決場面もしっかりと描かれている。とくに成り上がりの大使の人物像まで盛り込まれていて、ストーリーに深みがある。

トリックとしては、解決編は刑事コロンボ「逆転の構図」、使用人の件は「権力の墓穴」がベースになっていて、それをうまく組み込んでいる。

2時間半のスペシャル版でありながら緩むところがほとんどない。このシリーズの本格謎解きものとしては、かなりよくできたエピソード。