藤田晋著「勝負眼」の感想。

タイトルに惹かれて読んでみた。著者はサイバーエージェントの藤田晋社長。IT業界の代表的な成功者として有名だ。

成功者のビジネス哲学的な話かと思ったが、教訓的なことはところどころに語られているのみで、自身のこれまでのエピソードをまとめたようなスタイルだ。

表紙にあるように「押し引き」の思考と技術については、冒頭から麻雀を例にとって語られる。携帯からスマホへの転換といった大きな決断のもとにもこの姿勢があったのだろう。ただ、具体的な押し引きの技術、やり方についての指南はない。

本業のビジネスだけでなく、競馬、麻雀、サッカーにも精力を注いでいる。これらはいずれも勝負事だ。著者は生まれながらにして、ごく自然に勝負を楽しめる資質を持ち合わせているように見える。

酒もかなり飲むし、交友関係も広い。韓国ドラマ、ワイン、映画にも造詣が深い。そのうえ本書を自分で執筆している。これも「押し引き」ができることで、時間の余裕も生まれるのだろう。

ビジネスに成功するためには何をすべきで、何をすべきではないのか。こんな功利的な考えを持っていては凡人から抜け出せないのかもしれない。著者のように、やりたいことをどんどんやるが、しゃにむに突っ込むだけでなく、「押し引き」の感覚を常に保っている。これが著者の成功を支えているようだ。