NHKドラマ アガサ・クリスティー「蒼ざめた馬」の感想

イギリスBBC製作のアガサ・クリスティー原作のドラマの第5弾。2020年製作。

古美術商の主人公は、前妻を事故で亡くした後に美しい妻と再婚していた。ある日、病死体で発見された女性の靴の中から人名リストが見つかり、主人公の名前もその中にあった。やがて、リストに記された人々が次々に死んでいく。身の危険を感じ自ら捜査を始めると、蒼ざめた馬という館にたどり着く。

幻想的でアンティーク風な映像はこのシリーズの特徴。このドラマでも映像の美しさには目を見はる。絶妙な映像の暗さといい、小道具の色合いと配置といい、映像美は素晴らしい。

ストーリーは、主人公の視点で描かれる。前半はミステリー的な流れで、後半になると心理的なホラーのような描写が増える。

その主人公が心理的な問題を抱えているので、ミステリーの謎と主人公の心の問題がからみ合って、ストーリーがわかりにくい。謎解きも散発的に出てくるのみで、最後までホラーの世界から抜けられず、ちょっともどかしい。

あまりにも主人公に役割を詰め込みすぎていて、全体的な流れがスムーズに進まない印象。これまでの4作がすばらしかったので、それと比べるとちょっと残念な作品になってしまった。

NHK総合
アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬
2022年3月13日 23:00-24:00
2022年3月20日 23:00-24:00