映画「ねじれた家」(2017)の感想。アガサ・クリスティー原作。

「ねじれた家」は「無実はさいなむ」と並んで、クリスティーが自身が自作の中でもっとも満足していると語った作品。

ギリシャ出身の大富豪が急死した。孫娘がその死に疑いを持ち、かっての恋人で元外交官の探偵に捜査を依頼する。邸宅に赴いて調査を始めると、一族は強烈な個性派ぞろい。そして第2に殺人が起きる。

やはり原作がよいと思う。ストーリーがしまっていて、飽きさせない。人物構成が複雑でしっかり見る必要があるが、誰もが犯人に思えて謎解きを充分に楽しめる。

映像は原作のよさをうまく活かしていて、個性的なキャストづくりとノスタルジックな邸宅のいろどりは、本格ミステリーものに相応しい雰囲気を醸し出している。

この映画を観て思ったのは、クリスティーとクイーンは、やはりお互いに相当なライバル意識を持っていたのだなということ。