プロパガンダという視点で日本の歴史、現代の政治、外交などを解説した本。
前半は、日本の歴史を振り返る。教科書に出ているような有名な通説であっても、プロパガンダにより誰もが信じるようになった例は枚挙に暇がない。毛利、上杉、武田のプロパガンダ、本能寺の変、姉川、三方原の戦い、忠臣蔵、徳川信康切腹、小牧長久手の戦い、無能な秀忠など。とくに三河武士団のプロパガンダにより徳川政権が安定したという話は興味深い。
後半は現代のプロパガンダ。終戦後の占領政策、吉田ドクトリン、日中国交回復、保守、憲法、安倍政権、対米政策など。
常識を疑えとよく言うが、その常識がプロパガンダでつくられたものだと思うことが、今でもよくある。歴史を振り返ると、歴史は勝者の都合のよいようにつくったものだとも言う。
歴史ものとしても面白い本だし、ものの見方という意味でも考えさせられる内容だ。