文藝春秋に同級生交歓というコーナーがある。それなりの出世をとげた人たちが、かっての同級生と並んだ写真が掲載される。取り上げられるのは、ほとんどは名門校と言われるところばかり。しかし考えてみれば、最も世の中に人材を輩出した学校といえば、大手予備校だろう。それなのに予備校は裏街道にも似た扱いをされている。出版物まで含めれば、予備校のお世話になっていない受験生は探すのが大変なくらいだと思う。
そいった予備校の歴史を詳細に調べたのが本書になる。大手はもちろん、地方の中核になっていた予備校もかなり含まれている。学校ではあるが営利企業でもある予備校には、熾烈な競争にさらされている。そこで消えていった予備校も数多い。当時はよく聞いていた名前が、今ではなくなってしまったのかと思うと感慨深い。
日本の教育史という観点からは重要なはずなのに、いずれ顧みられなくなってしまうかもしれない予備校文化。そういった資料的にも価値の高い本だと思う。

