映画「ピエロがお前を嘲笑う」(2014)の感想。ドイツのサスペンス映画。

2014年公開のドイツ映画。天才ハッカーが主人公のサスペンス。

主人公は内気の天才ハッカー。ハッカー仲間といたずらのつもりでハッキングを繰り返していた。大物ハッカー集団と接触するうちに破壊活動が過激化し、殺人事件の犯人として追われるようになる。

昔のスパイ大作戦でよく見たようなどんでん返しが使われている。アメリカと敵対する中南米や東欧の将軍に、大がかりな偽装工作を仕掛け、最後に一気に種明かしをして呆然とさせるパターンだ。この作品では、我々がトリックを仕掛けられる側になる。

どんでん返しがしっかりきまっているので、面白いことは面白い。ただ、途中が少し雑な感じがする。やたらにファンキーな映像が多いが、捜査官、対立ハッカー、女友達との関係がうまく描かれていない。

最後に主人公たちは、アノニマスとして社会に潜り込むことに成功し、勝ち誇った態度をとる。匿名性が横行するネット社会は、実社会からはそれほど信頼されてはいない。相手が本当にその人だという確証がないからだ。それは実社会でも同じだろうという世の風潮に対するアンチテーゼのようにも見える。