G・K・チェスタトン著「ブラウン神父の秘密」の感想。

ブラウン神父シリーズの第4作。

4作目になるがずっと同じレベルを保っていて、この集もなかなかの粒ぞろい。最初と最後のエピソードは、毛色の変わった独白的な内容で、これはこれで面白かった。

よかったのは次の3作。

「俳優とアリバイ」
「ヴォードリーの失踪」
「世の中で一番重い罪」

全体的には、トリックは今のものに比べれば飾り気のないプリミティブなものが多い。また常識の裏をかいて意表を突くような構成のものもちらほら。

最初は読みにくかったまどろっこしい文体にも慣れてきた。ここまで描写する必要はあるのかと思うが、当時の世相も反映されていたりして、深く読み込めば味のある内容だと思う。