映画「ハリーの災難」(1955)の感想。ヒッチコック監督の喜劇作。

ヒッチコック監督のコメディミステリー。

紅葉の美しい森の中で、ハリーという男の死体が横たわっていた。村人たち、次々にこの死体を見つけるが、何故か警察に通報するようなことはせず、埋めたり掘り返したりと奇妙な行動をとる。

ヒッチコックと言えば心理サスペンスだが、この作品はコメディタッチのミステリー。他の作品でもちょっと笑えるシーンがよく埋め込まれているが、それを丸ごとひとつの作品にしてしまっている。

ハリーの死体は、恐怖やおぞましさなどまったく関係ない扱いを受ける。だが、面倒といえば面倒なので、村人たちは埋めたり掘り返したりと、それぞれの思惑で行動をとる。それがまさに喜劇。一応きちんとしたプロットはあって、サスペンスにしても成り立つくらいのオチもついている。

サスペンスのもとになる死体を、喜劇のネタにしてしまう大胆な試み。恐怖とともにユーモアも大事にしているヒッチコックのもうひとつの顔を見ることができる作品。