ロシアを専門として活躍してきた二人の著者によるウクライナ戦争についての対談本。
立場上は二人は親露派と分類されてしまうのかもしれない。ウクライナ支持一辺倒になった今では、持論を展開するだけでも批判を浴びるような世の中だ。人道的な点ではウクライナ擁護、ロシア非難でもちろんよいだろう。だが、外交と国益という点では、物事をもう少し深く見なければならない。ロシアが悪いというのは間違いないが、ウクライナにも弱みがある。戦前には戦争を招いてしまった危険な判断があったし、戦争が始まってからも危ういことをやっているらしい。問題は、その手の情報はマスメディアにはあまりのらないことだ。
正直言って、ここに書かれているロシアに関する専門的な知見の真偽については、よくわからない。ただ、多方面からの情報を入れることは大事だし、この本には知るべき情報が入っていると思う。